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施設概要
開館:平成5年4月
延床面積:830.74u
蔵書冊数:約8万冊
雑誌数:65タイトル
新聞数:6紙
視聴覚資料:ビデオ2000点・
CD 2000点・LD/DVD 1000点
(平成19年3月31日現在)
二本松市は、県都福島市と郡山市の間、市の中心から福島市、郡山市へともに約30分程度の距離にあり、地勢は、西部の安達太良山麓、中央部の平坦地、東部の阿武隈地域の3地帯に分類される。岩代図書館のある岩代支所管内は二本松市東部に位置する。旧岩代町は、富士山が見える日山(最北遠)と羽山(最北緯)を有するとして「富士山の見える北限の町」宣言をしていた。またこの周辺は、「陸奥安達百目木駅八景図」(歌川広重作)に描かれた歴史ある地域でもある。
ふるさと創生基金の使い道を旧岩代町でアンケートを行ったところ、文化部門で要望の多かったのが図書館を作って欲しいというものだった。阿武隈川の東側には書店が無いため、子育てのために是非図書館を利用したいとの意見がたくさん寄せられたそうだ。その後、数年を経て図書館建設が決定し、平成5年4月1日に岩代町図書館がオープン。県内の小さな図書館ではいち早くパソコンを導入した。17年12月に二本松市、安達町、東和町と合併し、二本松市立岩代図書館となった。合併後も、遠方からお弁当を持ってやってくる子どもを救済するのを目的とした談話室を増設するなど、利用者を一番に考えた図書館作りが着々と進められている。
自分の住んでいる地域で何が起きているのか分からない、歴史が分からないなどという理由で地域情報を必要としている住民が増えている。しかし、図書館が持っている書籍の形では地域情報を得られるものは少ない。また、子どもたちが岩代という町について調べようとした時に、参考になる資料があまりない。私たちが日頃必要とするのは個々が持っている地域に密着した情報で、その情報を皆で共有するにはどうしたらいいのか…。その情報を収集し伝えていくべき責任は図書館にあるのではないか、そんな考えから“いわしろ百科”というデータベースの作成は始まった。平成13年から情報を収集し始め、15年に電算化を始めた。地域におけるありとあらゆること全てを入力し、情報に偏りの無いように気をつけ、10進分類法によりデータを整理している。現在600件ほどのデータを蓄積しており、説明文と共に写真も検索できる。年度ごとの小学校の運動会の様子から地元神社のお祭りの情報まで、必要な情報がピンポイントで見られるようになっている。説明文は館長が執筆したり、地域の詳しい方が担当して下さるなど、岩代に密着している方々が協力して下さる。今後は、中学校・小学校とのネットワーク化、また各町内会などにも輪を広げ、図書館だけでなく地域住民皆でいわしろ百科を作り上げていくことが目標だ。
また、このいわしろ百科の利用を通じて、子どもたちに情報が溢れている多様な時代の今、自分に必要な情報は自らが選んで判断することができる、ということを伝えていきたいそうだ。
その他に、図書館を入ると福島中央新報という地方新聞の本日付が拡大コピーされ、一番目に付く所に掲示されている。地域に密着した記事を利用者にいち早く分かり易く届けている。また、その情報により個人と地域の顔合わせのきっかけを図書館が作っていきたいと考えている。
「15年間図書館で働いていると、いろんな人がやってくるのがわかった。」と話す館長。なかでも気になるのが、お年寄りが昔の映画を涙しながら鑑賞していることがたびたびあること。自分の若かりし時に観た映画を思い出と共に噛みしめているのではないか…。利用者に何にもしてあげられない歯がゆさ、少しでも心の休息を与えてあげたいという思いから、私だけの映画館“安達座”設置を考えた。8畳ほど部屋を真っ暗にし、1人掛けのソファと大画面のスクリーンを準備し、ヘッドホンで映画を観られる空間を作り上げた。現在最終調整中で、近々利用者が使えるようになるそうだ。安達座とは、40年前に閉館してしまった岩代に実際にあった映画館。
遠方の子どもを救済する目的で作られた談話室。談話室ができたおかげで食事場所の確保ができ、子どもたちも大喜びだそう。その他にも、自分にぴったりの本に出合えた、新しい人との出会いがあったなど、図書館に来てよかったという思いの余韻を楽しむスペースとして、誰でも気軽に使えるような場所にしていきたいそう。図書館とは別空間としてジャズ系の音楽を流すなど、くつろげるスペース作りを模索中である。将来的にはお茶のサービスなども展開できれば、より利用者が人と人とのつながりを感じられるスペースになるのではないかと考えている。
開館以来「本」を中心とした資料収集を進めながらも、漫画、AV資料そしてインターネットについて先どりの姿勢を貫いてきた岩代図書館。今後も「本」に執着せず、積極的に新しい媒体を認めてきたからこそわかる「本の素晴らしさ」を紹介していきたいのだという。また、閉架書庫に移動された力ある名著を新刊書架や一般書架とは棲み分けし、展示方法などを工夫し信念を持ってすすめていく。その他、学校に不足しがちな郷土資料をはじめ、参考図書の貸出を積極的に行い、そこから得られた学習結果を図書館資料として受入れていきたいと考える。
図書館は「本」を中心とした情報センターであり、基本的には、その情報を「個人」として利用する場所であるがそれとともに、人と人との交流の場であって欲しいとも考えている。談話室や郷土コーナーの充実を進め、憩いの場としての図書館利用を定着させていきたいのだそう。
合併から約2年。町立から市立図書館としての在り様を模索しているが、今まで積み重ねてきた独自性を継続発展させ、これからの図書館の未来へとつなげる。
二本松市立岩代図書館
〒964-0313
福島県二本松市小浜字藤町242
TEL:0243-55-3255 FAX:0243-55-3242
開館時間:火曜日〜金曜日:10:00〜18:00
(春・夏・冬休み期間中は、9:00開館。
その他開館時間を延長する場合有)
土曜日〜日曜日:9:00〜17:00
休館日:月曜日・祝日・毎月末日、
年末年始(12月29日〜1月3日)
特別整理期間
(5月下旬〜6月上旬の2週間以内)
『ウィークリー出版情報』 2007年9月1週号に掲載
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